最後の一口

車窓から

 

街の色を眺めたら

 

あの人を思い出す

 

あの人のことなら

 

よく知っているわ

 

街の人気者

 

彼は上手に歌い踊るの

 

彼のことなら街の誰もが知ってるわ

 

街のお弁当屋さん

 

バスを見てはしゃぐ子ども達

 

小さな画面に夢見る少女

 

風を切り走る少年たち

 

道の片隅で話すマダム達

 

あの人は

 

あの人は

 

えっと誰のことかしら

 

本当は知らない

 

本当は知らない

 

あなたも

 

わたしも

 

あなたを

 

わたしを

 

幻想を抱く

 

抱いてる

 

抱いてるのかもしれない

 

いつかいつか

 

本当の彼に

 

あなたに

 

わたしに

 

アイたい

 

本当はもう

 

であってる

 

のかもしれない

 

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