旅立ち

旅をしていると

人生の交差点に遭遇する事がある

私たち旅人は

旅立ちの瞬間があって

見送られることも多くある

今回の旅では

今日旅立ちという瞬間に

居合わせてもらうことになった

これから８ヶ月

短く長い

世俗的な暮らしから離れ

彼の更生

"甦り"の時間が始まる

そんな彼と話していると

彼は本当に穏やかで

一緒に居ると安らぎを感じる程だ。

未だに彼が罪を犯したということが

信じられずにいる。

彼の事件後

彼から離れた人間は

一人もいなかったそうだ。

"罪を憎んで、人を憎まず"

この言葉がまさにしっくりくる

彼の口から出てくる言葉は

後悔や反省の言葉ではなかった。

本をたくさん読もうと思っていること

出所してから

使命を全うしたい

と、いうこと。

未来を見据えた彼は

もうしっかりと後悔し

反省を終えている

そんな彼は今から

更生への道を辿るのだろう

更生とは

"甦ること"

そう教えてもらった事がある。

目の奥底に

少し寂しげな想いを抱えながらも

きらきらとした

真っ直ぐな目で

甦りの道へと

旅立っていった。

人生のターニングポイントである

瞬間に居合わせてもらえた事に

心から感謝して。

再会の約束を交わし

私たちも人生の交差点を

彼とは別の方向へと旅立った。

甦った彼の物語の続きを

心から楽しみに。